呉式太極拳教室「太極の小径」ができるまで

「100歳まで自分の足で歩ける」身体を作るための呉式太極拳教室、「太極の小径」開設までの物語です

まずは自己紹介です ー 呉式太極拳本格トレーニング開始

2016年に師匠がご自分の教室を開かれました。この教室は、呉式太極拳のみを教えるものでした。他の流派は教えません。私の呉式太極拳のトレーニングが本格的に開始されました。

 

教室の開設とともに、核となる生徒を確保するため、と言う名目で、弟子の募集がありました。もっと学びたいと言う思いが強かったので、躊躇せず弟子になりました。ティー・セレモニーを経て、正式に弟子になりました。

 

弟子になってからしばらくして、師匠は先代から個人レッスンをつけてもらっていたことを知り、自分も受けたいとお願いして、個人レッスンが始まりました。週に2から3回、1回1時間です。2022年の現在でもまだ続いており、総時間数は750時間を超えました。個人レッスンでは、108式套路をより正確に、要領通りにできるよう、ステップ毎に修正を加えていくことを中心にしてきました。現在、108式套路を初めから最後まで修正する作業の作業の9巡目です。師匠も先代から9巡目まで受けたとおしゃっていたので、数だけで言えば並んだことになります。

 

弟子になった当時、師匠に言われたのが、一人前になりたかったら、套路を5000回やりなさい、と言うことです。呉式の108式套路は、初めから最後までやり通すと40分強かかります。1日にできる回数には限りがあります。時間的な制限はもちろんですが、毎日3回以上やり続けると疲労が抜けなくなってきます。このブログを書いている時点で、4759回。今年の夏には5000回を達成できる予定です。

 

個人レッスン、自己練習、教室への参加を続けて、初めは単なる踊りだった動きが少しずつまともになってきたのは、弟子になってから2年後ぐらいです。この頃から少しずつ、教室で教える機会を持てるようになってきました。最初は、準備運動の掛け声をかけるところから始まりました。そして、套路を先頭になってやること、師匠が教える時にデモをやることも徐々に増えてきました。

 

2019年に、さらに奥深くまで学べるようになるために、入室弟子になりました。

 

 

この頃からコーチとしてグループレッスンを任されるようになりました。2020年には、プライベートレッスンを任されるようになり、今では、レッスンを提供した総時間数は3000時間を超えました。

 

教えるのって本当に難しいです。動きの概要を掴んでもらって、ある程度動けるようになったらちょっとずつ正しい方向に修正をしていきます。何か新しいことを学ぶとき、多くの場合、自分がすでに知っている知識に照らして理解をしていくのだと思います。学んでいる動きが自分の知っている動きに似ていると、その動きと何が違うか、と考えながら覚えます。人によっては、この主観による理解が「正しいはず」と思ってしまいます。そうなると、こちらが修正を加えようとしてもなかなか治りません。レベル毎にどこまで治したら良いかと言うのも難しい問題です。

 

プライベートレッスンを受けていた生徒さんで、パーキンソン病のため、体が思うように動かない方がいました。基礎トレーニングを通じて、地道にレッスンを重ねた結果、かなり普通に歩行ができるようになりました。これをきっかけに、きちんと歩くために基礎的なトレーニングを施せないかと考えるようになり、本校のミッションである、「100歳まで自分の足で歩く」ことをサポートする、ことを掲げることにしました。

 

シンガポールに残って当地で教室を開くことを考えた時期もあったのですが、そうしないことにした理由は次回書くことにします。